ASHRAE160に従って、壁体内部に壁面雨水の1%の水分侵入位置の設定する場合は、どのように考えればよいのでしょうか。
ASHRAE160では、防水層の外気側表面としています(4.6.1 The deposit site for the water shall be the exterior surface of the water-resistive barrier. )。
WUFIの計算例(Example‗USA_Leakage.w6p)では、1%雨水は、防水紙の裏面にある面材の表面部に与えています。また、与える部位も、1つの点ではなく、5mm分の複数の部位に与えています。
透湿防水シートや防水紙などは、重ね面やくぎ穴等から雨水が侵入する可能性があるものと考え、シートの室内側にある材料の外気側表面を、雨水の侵入ポイントとして設定すべきなのでしょうか。
また、設定する部位は、表面側の1部位だけではなく、複数の部位に設定すべきなのでしょうか。
ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
Re: ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
1% の雨水を与える場所は、通常、防水層の「室内側」に接する建材の、外側5mmです。
>透湿防水シートや防水紙などは、重ね面やくぎ穴等から雨水が侵入する可能性があるものと考え、
その通りです。そういった水分も、構造からうまく出ていくことができるかどうかをシミュレーションで確認するためです。
また、ひとつのグリッドのみに水分の発生を与えると、そのグリッドで「発生する」水分の量が多すぎる、つまり、飽和含水率を超えることもあり得ます。
するとシミュレーションの計算負荷が高くなり、計算エラーが生じやすくなります。
そのため、発生する水分量(雨水の1%)を、5mmの間で分散させます。
また、釘などを伝って浸入する場合、ある程度の幅に雨水が浸入するのは、ひとつのポイントのみに浸入すると考えるよりも現実的です。
>透湿防水シートや防水紙などは、重ね面やくぎ穴等から雨水が侵入する可能性があるものと考え、
その通りです。そういった水分も、構造からうまく出ていくことができるかどうかをシミュレーションで確認するためです。
また、ひとつのグリッドのみに水分の発生を与えると、そのグリッドで「発生する」水分の量が多すぎる、つまり、飽和含水率を超えることもあり得ます。
するとシミュレーションの計算負荷が高くなり、計算エラーが生じやすくなります。
そのため、発生する水分量(雨水の1%)を、5mmの間で分散させます。
また、釘などを伝って浸入する場合、ある程度の幅に雨水が浸入するのは、ひとつのポイントのみに浸入すると考えるよりも現実的です。
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Re: ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
1%侵入の設定ポイントを、「防水層の「室内側」に接する建材の、外側5mm」に設定する、というのは、ASHRAE160の規定なのでしょうか。それとも別の規定なのでしょうか。
Re: ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
ASHRAEでは確かに、防水層の「外気側」に雨水の1%を与えることを定めています。
WUFIで防水層の「室内側」に設定するのは、より安全側の結果を得るためです。これを定める公的な規格はありません。
防水層の「室内側」に1%の雨水を発生させても なお 湿気の問題がなければ、その構造は湿気に関しては安全であると言えます。
「室内側」に1%を設定すると、湿気の問題がある、例えば、構造板の含水率が基準値(18M.-%)を超えてしまう場合には、ASHRAEの定める「外気側」に設定してみることをおすすめします。この際、通気層の厚みが18mmの場合、外気側に16mmの空気層を設定し、室内側に2mmの空気層を設定します。そして16mmの方には換気回数を与え、2mmの方に、1%の湿気発生を与えます。 というのも、同じ層の中にふたつの「湿気の発生」を与えることができないためです。
実際には、1%を与えるべき場所は、窓枠と外壁がどのように接合されているのか、つまり、どこに雨水が浸入する可能性があるかによります。
ドイツでは、窓枠付近の防水施工がしっかりされている場合には、1%を考慮せずに計算する場合もあります。
例えば、次のようなガイドラインに従った施工がされている場合です。
http://www.holzforschung.at/fileadmin/C ... 150801.pdf
日本でも、同様の施工ガイドラインがあれば、または経験的に雨水の浸入がないことが確認されている施工であれば、1%の雨水浸入を無理に設定しなくてもいいかと思います。
WUFIで防水層の「室内側」に設定するのは、より安全側の結果を得るためです。これを定める公的な規格はありません。
防水層の「室内側」に1%の雨水を発生させても なお 湿気の問題がなければ、その構造は湿気に関しては安全であると言えます。
「室内側」に1%を設定すると、湿気の問題がある、例えば、構造板の含水率が基準値(18M.-%)を超えてしまう場合には、ASHRAEの定める「外気側」に設定してみることをおすすめします。この際、通気層の厚みが18mmの場合、外気側に16mmの空気層を設定し、室内側に2mmの空気層を設定します。そして16mmの方には換気回数を与え、2mmの方に、1%の湿気発生を与えます。 というのも、同じ層の中にふたつの「湿気の発生」を与えることができないためです。
実際には、1%を与えるべき場所は、窓枠と外壁がどのように接合されているのか、つまり、どこに雨水が浸入する可能性があるかによります。
ドイツでは、窓枠付近の防水施工がしっかりされている場合には、1%を考慮せずに計算する場合もあります。
例えば、次のようなガイドラインに従った施工がされている場合です。
http://www.holzforschung.at/fileadmin/C ... 150801.pdf
日本でも、同様の施工ガイドラインがあれば、または経験的に雨水の浸入がないことが確認されている施工であれば、1%の雨水浸入を無理に設定しなくてもいいかと思います。
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Re: ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
WUFI pro.6.4で、入り込む雨の割合について、ASHRAE160とDIN4108-3、ユーザー設定の3つ選択できますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。ユーザー設定は割合固定、というのはわかるのですが・・・。
Re: ASHRAE160による1%雨水侵入の設定
ASHRAE160でも DIN4108-3でも、どちらの規格でも同じ値が定められていて、1%が設定されます。
ユーザー設定を選択すると、任意の値を入れて計算することができます。
ユーザー設定を選択すると、任意の値を入れて計算することができます。